AP通信の報道などによると、フランクフルト国際ブックフェアの会場において15日(現地時間)、グーグルはGoogle Edtionsと名づけた電子書籍をオンラインで販売するサービスを、2010年前半に40万から60万タイトルの規模で開始すると発表した。
同社のトム・ターベイの説明によれば、読者は携帯電話から電子書籍リーダーにいたる、ウェブブラウザをもつ各種の機器でアクセスしてコンテンツを購入し、読むことができる。電子書籍はグーグルが直接販売するだけでなく、他の小売りサイト経由でも販売される。AP通信の報道は、「顧客の大半は電子書籍をグーグルではなく、パートナーとなる小売りサイトで購入するだろう。我々は電子本の取次業者である」とターベイが語ったことを伝えている。
アメリカでは来週20日にも大手書店のバーンズ&ノーブルが、電子書籍用の端末を発表すると噂されている(電子ペーパーと液晶画面をもつその端末の写真がギズモードでスクープされている)。先行するアマゾンのキンドルを追って、電子書籍ビジネスにおける各社の主導権争いが、今後激化していくと思われる。
■関連記事
・グーグルの書籍電子化計画に非難の嵐、フランクフルト書籍見本市で (AFPBB News)
・Google to launch new Google Editions platform to sell books accessible anywhere (AP)
・Google sparks e-books fight with Kindle (Yahoo! Tech News)
執筆者紹介
- 2009年10月に、株式会社ボイジャーを発行元として創刊。2015年からはアカデミック・リソース・ガイド株式会社からも発行支援をいただきあらたなスタートを切りました。2018年11月より下北沢オープンソースCafe内に「編集部」を開設。ウェブやモバイル、電子書籍等の普及を背景にメディア環境が激変するなか、本と人と社会の関係をめぐる良質な議論の場となることを目指します。
最近投稿された記事
- 2019.01.22イベント告知「返本ゼロ」が可能な出版のビジネスモデル――ジョン・オークス講演会
- 2018.02.20お知らせデジタル版「本で床は抜けるのか」について
- 2016.09.22イベント告知今年も東京国際ブックフェアが始まります
- 2016.08.08イベント告知ローカルメディアで〈地域〉を変える【第2回】を開講します。