連載「本を出すまで」

東日本大震災の後、それまでの出版社での仕事のしかたに疑問をもち、独立してちいさな出版社「里山社」を立ち上げようと思い立った編集者が、自分と同じような志をもつ「出版者」たちの経験を聞いてまわり、一歩ずつ足場を固めていく過程をつづったエッセイです。【連載中・随時更新】

第8回 「明るい」時代と山田太一ドラマ

2017年6月29日
posted by 清田麻衣子

幼い頃、我が家でテレビは「NHK」と「民放」に二分されており、うちでは民放を観ることが許されなかった。バラエティ番組が隆盛を極めた80年代に幼少期を過ごした兄と私は、「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」や「天才・たけし… 続きを読む

番外編2 佐藤真の「不在」を見つめて

2016年11月16日
posted by 清田麻衣子

佐藤真の映画を観て、本を読んで、考える時間は、頭にモヤがかかったような状態が多かった当時の私にとって、幼いころの遊びに熱中する感覚が蘇ってきたような時間だった。ファッションくらいしかこだわりのなかった私が、ようやく初めて… 続きを読む

番外編1「失われた20年」と佐藤真

2016年4月29日
posted by 清田麻衣子

2016年3月に、ドキュメンタリー映画作家、佐藤真の本を出した。タイトルを『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』という。この遅々として進まない連載ではまだ1冊目も出ていない里山社だが、この本は4… 続きを読む

第7回 返品制度の壁と事業計画

2015年9月4日
posted by 清田麻衣子

2013年の年明け、写真集『はまゆりの頃に』は、その年の秋の出版を目指すことになった。 写真家の田代一倫さんはその後、刻一刻と姿を変え、問題が複雑化、多様化していく被災地の人々を撮影し、季節ごとに、所属する「photog… 続きを読む

第6回 夏葉社の営業に同行する

2015年5月1日
posted by 清田麻衣子

2012年初秋。高円寺の本のイベント「本の楽市」に小出版社が集まって出店することを知って立ち寄った。出版社30社以上が出店する「本とアートの産直市」なるものが開催されていたのだ。私が手も足も出ずもがいている出版業を既にや… 続きを読む