Editor’s Note

2013年1月28日
posted by 仲俣暁生

本日、トークイベント「著者の磨き方」大原ケイ✕佐渡島庸平という記事を公開しました。1 月12日に、東京・下北沢にあるB&Bという書店で行われたお二人の対談をまとめたものです(下記写真をクリックすると記事にとびます)。

お二人のトークの話題は「エージェント」という、日本ではまだあまり馴染みのない仕事をめぐるものでしたが、ニューヨークで文芸エージェントとして日本人作家を英語圏に紹介する仕事を長くつづけてこられた大原ケイさんと、昨年にエージェント会社コルクを立ち上げ、出版社の外で作家の側で創作活動を支援する仕事をはじめた佐渡島庸平さんによる、息のあった対話が実現しました。

この対談の前日譚として、大原さんによる「エージェンシーに電子書籍は追い風となるか」という記事を「マガジン航」ではすでに公開しています。また、エージェントの仕事ととも少し関連しますが、ニューヨーク在住の秦隆司さんが作家に対するアドバンスの話題を「アドバンスをめぐる名編集者の言葉」という記事で報告してくれています。出版社と作家の関係がこれからどうなるか、興味のある方はあわせてご覧いただければ幸いです。

ところで、今回の対談記事の公開に先立ち、「マガジン航」のサイドメニューの構成を一新してみました。「マガジン航」はこれまで、ブログ方式で表示される時事性の高い記事と、サイドメニューからのみアクセスできる比較的長い「読み物」とに分けて記事を公開してきました。

しかし、ブログ部分でも西牟田さんの「床抜け」シリーズなど続き物の記事が増えてきたことと、創刊から3年が過ぎ、全体に過去記事が増えたことから、これまでの記事アーカイブへのアクセスをしやすくする必要を感じていました。

本来はもっと大掛かりに誌面レイアウトを刷新してもよいのですが、現在のシンプルなデザインもわりに気に入っているので、まずはサイドメニューの構造をはっきりさせるための見出しを増やすことで対応してみました。西牟田さんの「床抜け」シリーズや、津野海太郎さんの「書物史の第三の革命」に加え、これからも新しい連載企画を何本か予定していますのでご期待ください。

あわせて、「読み物」コーナーから長い対談やインタビュー記事を独立させ、「ロングインタビュー、対談」の欄をあらたにつくりました。今回の大原さん、佐渡島さんの対談をはじめ、これまでに行った池澤夏樹さんブリュースター・ケールさんへのインタビューも、この機会にぜひ合わせてお読みいただけると幸いです。

今回から、Edtor’s Noteというかたちで、編集人の気軽なコメントをときどきブログ欄に投稿することにします。「マガジン航」のFacebookページでの情報更新とあわせてご覧ください。

執筆者紹介

仲俣暁生
フリー編集者、文筆家。「シティロード」「ワイアード日本版(1994年創刊の第一期)」「季刊・本とコンピュータ」などの編集部を経て、2009年にボイジャーと「本と出版の未来」を取材し報告するウェブ雑誌「マガジン航」を創刊。2015年より編集発行人となる。著書『再起動せよと雑誌はいう』(京阪神エルマガジン社)、共編著『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)、『編集進化論』(フィルムアート社)ほか。