読み物コーナーに新記事を追加

2010年2月11日
posted by 仲俣暁生

読み物コーナーに、ポット出版の沢辺均さんによる「ジャパニーズ・ブックダムの夢」という記事を追加しました。昨年年9月に行われたでるべんの会(出版関係勉強会)での講演をまとめたものです。沢辺さんが提案している「ジャパニーズ・ブックダム」構想とは、ひとことでいえば、「日本語で書かれたすべての本が全文検索できるサービス」。グーグルのブック検索をめぐる集団訴訟が日本の出版界に投げかけた波紋や、国立国会図書館の長尾真館長の提案する電子図書館構想に対する、出版業界側からの具体的な提案として大いに注目に値します。

この記事ではそのほか、沢辺さんが中心となって活動している中小出版社の団体「版元ドットコム」(本日現在で158社が参加)や、筑摩書房・河出書房新社・平凡社・青弓社・中央公論新社・二玄社・早川書房・ポット出版の8社が共同で始めた新しい責任販売制度「35ブックス」の成り立ちや狙いについても詳しく語られています。

なお、この講演録の無償ダウンロード版を含む図書館専門誌『ず・ぼん』15号の電子書籍バージョン[完全版、記事単位のバラ売り版の両方あり]が、理想書店にて発売中です。こちらもぜひご覧下さい。

執筆者紹介

仲俣暁生
フリー編集者、文筆家。「シティロード」「ワイアード日本版(1994年創刊の第一期)」「季刊・本とコンピュータ」などの編集部を経て、2009年にボイジャーと「本と出版の未来」を取材し報告するウェブ雑誌「マガジン航」を創刊。2015年より編集発行人となる。著書『再起動せよと雑誌はいう』(京阪神エルマガジン社)、共編著『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)、『編集進化論』(フィルムアート社)ほか。