読み物コーナーに、セバスチャン・メアリーの『いまこそ本当の読書用iPodを』を追加しました。電子書籍で読まれるのにふさわしいテキストは、これまで紙の本が前提としてきた「一定の長さをもった文章」ではないのかもしれない、という彼女の指摘はなかなか刺激的です。どうぞご覧ください。
キンドル到着
2009年10月23日posted by 仲俣暁生
「マガジン航」の発行元ボイジャーに、キンドルが到着。さっそく若手スタッフがあれこれ試してみた様子を映像でお送りします。箱をあけると、いきなりアメリカの作家、ラルフ・エリソンの肖像画が。これにはちょっと驚きました。いつか日本語対応版ができるときは、漱石や鴎外の肖像画が表示されるのでしょうか。
私も自宅でさっそくキンドルを使いはじめていますが、電子ペーパーの画面は、思っていたよりずっと読みやすく(ページ送り時の画面暗転はやはり気になりますが)、音声読み上げ機能も英文を読む場合は便利です。ウェブブラウザの機能もついているので、通話時間を気にせず、海外のブログを閲覧できるのもいいですね。明日はキンドルを持って町に出てみようと思います。
HPの新サービス BookPrepとMagCloud
2009年10月22日posted by 「マガジン航」編集部

ヒューレット・パッカード社は10月21日、ミシガン大学と共同でBookPrepという新サービスを開始すると発表した。BookPrepでは、同大学の50万点を越える稀覯書や絶版本がオンデマンド印刷により入手できる。
たとえば『ベンジャミン・フランクリン自伝』の場合、オンラインでの閲読は無料。このコンテンツをペーパーバックで購入する場合は14.95ドルがかかり、Applewood Booksから24時間以内に発送される。
またヒューレット・パッカード社は同日、MagCloudというサービスの開始も発表した。こちらはWikiaとの共同による、オンデマンド印刷を用いた雑誌刊行支援サービス。Wikipediaの創立者の一人、ジミー・ウェールズも自身のブログで、このサービスについて詳しく述べている(Is The Magazine Dead?)。
■関連記事
・誰でも出版社になれる「クラウド型雑誌印刷」:WikiaとHP(WIRED VISION)
・HP,出版支援サービス「BookPrep」で50万作品の希少本をオンデマンド販売可能に (IT pro)
紙の本の値段、電子書籍の値段
2009年10月22日posted by 「マガジン航」編集部
沢辺均(ポット出版社長)×永江朗(ライター)

左が沢辺均氏、右が永江朗氏
ポット出版のネットコンテンツ、『マガジンポット』の「談話室・沢辺」にライターの永江朗氏が登場。ポット出版から刊行されている『本の現場』を、電子書籍でも配信する計画とのこと。この対談記事の一部を転載させていただいた。(全文を読みたい方はこちら)
出版社には、書店の利益を確保する義務がある
(少なくとも現状では)
沢辺 あと、これまで出なかった再販維持論者の意見として、「再販制がなくなると価格が高騰するからよくない」というのがあるけど、どう思う?
永江 筑摩の松田さんとよく言っていたのは、本の値段を倍にするだけで、日本の出版界が抱えている問題はかなり解決するよね、っていうことで。本の原価率が高すぎるというのと、書店のマージンの絶対額が低すぎる、というのが解決するでしょ。出版点数も絞らざるを得なくなるから、値段を倍にするといいことばかりなんですよ。大洪水もブレーキかかるし、本ももっと大事にされるし、書店の余裕も多少出来るだろうし。
値段の高い安いを消費者がそんなに気にしているかというと、『○型の説明書』は中身薄くてぺらぺらで、1000円でしょ? あんなに消費者にとってコストパフォーマンスが悪い本はないのに、4タイトルで500万部売れるわけですよ。『1Q84』だって、2冊合わせて3600円するのを100万人以上が買うわけですよ。6000円の『羯諦』がミリオンセラーになることはないけど、あの写真集は2000円でも買わない人は買わないし、売行きはあまり変わらない。
ただ、今回僕が出演しているラジオ番組のパーソナリティーの小西克哉さんに「えっ!? 『本の現場』、1800円? 村上春樹と同じ?」って言われたときは、ちょっとひるみましたよ(笑)。文豪村上春樹と同じ値段で消費者の方からお金をいただく自信は、正直ないですからね。
沢辺 いや、村上春樹のはユニクロのフリースと一緒で、いっぱい売れるから1800円なんでね。で、書店のマージンの絶対額が低い問題を解決するのは、実額のことを考えなくちゃならないんだよね。
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バーンズ&ノーブルの電子書籍端末
2009年10月21日posted by 「マガジン航」編集部
アメリカの大手書店チェーン、バーンズ&ノーブル(Barnes&Norble)は10月20日に電子書籍端末「nook」を発表した(プレスリリースはここに)。発売開始は11月末の予定。
「nook」の特徴は、キンドルなどと同様のE-ink社の電子ペーパーによるモノクロ・ディスプレイに加え、カラーの液晶画面も備えていることだ。またOSにはグーグル社のAndroidを採用している。バーンズ&ノーブルのサイトにはUnbound: The eReading Blogというブログもできており、さまざまな反応が寄せられている。
またTechCrunchには早速、nookとその仲間たち―最新eブックリーダー、スペック比較表という記事が載っており、nookとキンドル、ソニー・リーダーほかの電子書籍端末の仕様が一覧できる。
■関連記事
・米Barnes & Noble、電子書籍リーダー「nook」発売 (Internet Watch)
・電子ブックリーダに新製品! 『nook』はAndroid搭載 – 米Barnes & Noble (マイコミジャーナル)

