はじめてのGoogleブック検索

2009年11月19日
posted by 大田洋輔
ブック検索でたどりついた『グレート・ギャツビー』の原書のひとつ。

ブック検索でたどりついた『グレート・ギャツビー』の原書のひとつ。

Googleブック検索というものがあるのは、ご存知だと思います。
でも、使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
私自身、これまでは「試しただけ」で、特に何に使うということはありませんでした。
「Iwamatsu Ryo」と入れて、「おお岩松さんは海外でも紹介されているんだな」と馬鹿なことを思ったりしただけです。

ところが昨日、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』(村上春樹訳)の中の「ともあれ、それはただの私事にすぎない」(私事に圏点)という台詞は、原文でどう書かれているかを調べるように頼まれ、初めて明確な目的を持って使ってみて、「これは、もっと使ってみないと駄目なのでは?」と感じました。

今回やったのは「ある言葉が、特定の本のどこに出てくるのか」という基本的な使い方ですが、いくつか発見があったので、「どのように使ったのか」を記録しておきます。

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全国図書館大会U40プレミアセッション

2009年11月18日
posted by 岡本 真

2009年10月29日。平日の木曜の夜という決して条件の良い時間ではない中、日本全国12都市で図書館関係者が同時多発的に集う大イベントがあったことをご存知だろうか。イベントの名称は「全国図書館大会U40プレミアセッション」。集ったのは実に全国で330名。

一口に図書館関係者といっても図書館で働くライブラリアンだけが集ったのではない。書店や取次、出版社といった図書館が資料として収める書籍や雑誌の作り手もいれば、図書館システムや図書館用備品を収める図書館関連企業の社員もいる。図書館情報学を学ぶ学生・院生もいれば、素晴らしいことに図書館の利用者も参加者に含まれていた。開催都市は北から山形、仙台、新潟、水戸、東京、名古屋、三重、京都、大阪、岡山、福岡、沖縄の全国12都市。集ったのは、主に40歳以下の図書館関係者である。

U40とは「40歳以下」の意味。若手図書館関係者が集まった。

U40とは「40歳以下」の意味。若手図書館関係者が集まった。

ちなみに会場別にみると、参加者数は、山形(12名)、仙台(17名)、新潟(8名)、水戸(10名)、東京(120名)、名古屋(30名)、三重(23名)、京都(35名)、大阪(33名)、岡山(14名)、福岡(3名)、沖縄(25名)となっている。筆者の知る限り、これほど多くの図書館関係者が一堂にではなく、全国に分散して同時に同趣旨で催しを持ったのは、これが初めてのことだ。

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雑誌の電子配信に向けたプロジェクト

2009年11月13日
posted by 仲俣暁生
『ニューズウィーク日本版』の紙版とiPhone配信版。特集は「本と雑誌と新聞の未来」。

『ニューズウィーク日本版』の紙版とiPhone配信版。特集は「本と雑誌と新聞の未来」。

紙の雑誌の休刊が相次ぐなか、エニグモの雑誌コンテンツ配信サービス「コルシカ」がサービス提供開始早々、中止に追い込まれた話題は記憶に新しいところですが、雑誌のコンテンツを電子配信するための制度設計を研究・実験するプロジェクトがいくつも立ち上がっています。

大手出版社をはじめ、広告代理店、IT企業、電機メーカーらが参加する雑誌コンテンツデジタル推進コンソーシアムは、来年1月に予定している電子雑誌の実証実験の詳細を発表しました(Internet Watchの記事を参照)。実証実験に参加するのは出版社50社・100誌以上、モニター参加の希望者も定員をすでに超えたと報じられており、雑誌の電子配信に対する、出版社・読者双方の関心の高さが感じられます。

他方、「放送と出版の融合」を旗印に、デジタル放送を活用した新聞、雑誌等の紙メディアの完全デジタル配信の実現を目的とするAll Media In One(AMIO)フォーラムもこの9月に設立されています。AMIOの発起人代表は、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授。

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本の値引き競争で笑うのは誰?

2009年11月12日
posted by 大原ケイ

オンライン書店のアマゾンが自社の電子書籍端末、「キンドル」を普及させようとしてまず始めたのが、ハードカバーで定価20ドル以上もするような売れ筋の本のキンドル版を9.99ドルで売り始めたことだ。それまでは刊行後間もない売れ筋のハードカバーの本は、アマゾンの最大限ディスカウント枠でも40%引きなので、定価25ドルのものでも10ドル以下になることはなかった。

キンドル版の場合、同じアマゾンのサイトで購入後、1分もしないうちに手持ちのキンドルに自動的にダウンロードされ、読み始めることができる。しかも送料がかからず1冊10ドル以下となれば、数万円もするハードを買うのもやぶさかではない、という気にもなるだろう。

とはいえ、キンドル版の売上げは書籍全体の売上げからみれば、まだまだ数%という1桁の数字だったのである。話題になったとはいうものの、すぐに紙媒体の存在を脅かすような存在ではなかったはずだ。アマゾンとしては、同じタイトルなら、ハードカバーで売ってもキンドル版で売っても、同じ額の売上げを版元に払う、という条件の元で行っていたことだからだ。

なのに、それに対抗するように、ディスカウント・スーパーのウォルマートが売れ筋のハードカバーの本を10タイトル選んで9.99ドルで前売りを始めたことが、安売り競争の火種をつけることになった。ウォルマートといえば、同じ商品だったらどこよりも安いのがモットーの量販スーパー。商品の大半が中国製だったり、従業員の労働条件がかなり悪いので色々と批判もあるが、この不況の中で、いや、不況だからこそ売上げを伸ばしている数少ない企業のひとつだ。

ハードカバーの新刊が9.99ドルと聞いて我が耳を疑った。そんなのムリ!と思ったからだ。

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版元ドットコムの電子書籍講座

2009年11月10日
posted by 沢辺 均

書籍の電子化はどうやら具体的に足下まで近づいているようです。マンガや小説などの携帯配信を中心にした電子書籍は、150社約1000サイトの電子書店サイトが営業し、年商500億円規模という調査もでています。

アマゾンのキンドル、アップルのiPhoneと年明け発売かと噂されるマックタブレット、デバイス(端末)側が先行して、これにのせる書籍や新聞などのコンテンツの対応動向が注目されているような気がします。

版元ドットコム入門(版元ドットコムの勉強会のシリーズ名)では、電子書籍の状況と、どのように作るのか、どこでどのように売ることができるのか、出版社としての具体的な対応の選択肢として、電子書籍の販売を考えてみることにしました。

たとえば、
・電子書籍フォーマットって全部でいくつあって、
それぞれ、どういう端末に対応関係にあるか?
・電子書籍フォーマットのそれぞれの特徴
・電子書籍を販売するサイトはどこにどれだけあるのか
・実際電子書籍ってどうつくるの
などなど、です。

「電子書籍の状況から作り方売り方まで」、どうぞご参加ください。

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