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児童買春・児童ポルノ処罰法改正が残した課題

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(児童買春・児童ポルノ処罰法)が改正された。前回の記事「児童ポルノ法改正の何が問題なのか」(2013年10月10日)では、自民党と公明党、日本維新の会の3党合意による改正案ができあがるまでを取り上げた。今国会(第183回国会)では、3党に加えて、民主党と結いの党も加わった5党合意による改正案が提出されていた。

今回の改正のポイントは、「児童ポルノ」のうち、曖昧だと指摘されがちだった「3号ポルノ」について、より明確なものにしたこと、単純所持を禁止した上で、自己の性的好奇心を満たす目的での所持を罰則対象にしたこと、さらに、アニメ・漫画・CGについては、児童の権利侵害との関係性に関する調査研究が、3党合意から削除されたことだ。

子どもの性的搾取画像は守られない?

「3号ポルノ」は「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」と規定されていた。しかし、法文をそのまま解釈すれば範囲が広すぎるとの指摘がされていた。そのため、「殊更に児童の性的な部位(性器等もしくはその周辺部、臀(でん)部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの」を加えた。これにより、過激なジュニアアイドルやコスプレイヤーが規制される可能性が出てきた。参議院法務委員会でも山田太郎委員(みんなの党)が取り上げ、提案者からは「コスプレかどうかにかかわらず」適用するとの答弁がなされていた。

ニコニコ生放送で改正案について説明する山田議員(左)。ユーザーからの質問を集め、参院法務委員会での審議に活かした。(山田議員の事務所にて。6月15日)

ただし、本来、児童の性的搾取、商業的搾取を規制するものとして考えるのならば、単に「わいせつ」かどうかだけでの基準では足りない。であれば、撮影時の状況などを踏まえて、性的搾取があったのかどうかも考慮するという考えもあるのではないだろうか。これまでの判例(高松高裁 平成22年9月7日)では、性的虐待が行なわれた後、顔に精液をかけられている児童の画像は、わいせつ基準に照らすと、規制対象から外れる。

なぜ、こうしたことが起きるのかといえば、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」は一般人を基準としたものだからだ。「顔に精液をかけられている児童の画像」は小児性愛者の基準では「性欲を興奮させ又は刺激するもの」かもしれない。しかし、一般人を基準とするとそうではないとの判断だ。また、画像のみで判断しなければならない。児童ポルノの該当性判断を示した京都地裁判決(平成12年7月7日)がある。

<衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態(以下「児童の裸体等」という。)を描写した写真または映像に児童ポルノ法二条二項にいう「性器等」、すなわち、性器、肛門、乳首が描写されているか否か、児童の裸体等の描写が当該写真またはビデオテープ等の全体に占める割合(時間や枚数)等の客観的要素に加え、児童の裸体等の描写叙述方法(具体的には、①性器等の描写について、これらを大きく描写したり、長時間描写しているか、②着衣の一部をめくって性器等を描写するなどして性器等を強調していないか、③児童のとっているポーズや動作等に扇情的な要素がないか、④児童の発育過程を記録するために海水浴や水浴びの様子などを写真やホームビデオに収録する場合のように、児童の裸体等を撮影または録画する必然性ないし合理性があるか等)をも検討し、性欲を興奮させ又は刺激するものであるかどうかを一般通常人を基準として判断すべきである。そして、当該写真又はビデオテープ等全体から見て、ストーリー性や学術性、芸術性などを有するか、そのストーリー展開上や学術的、芸術的表現上などから児童の裸体等を描写する必要性や合理性が認められるかなどを考慮して、性的刺激が相当程度緩和されている場合には、性欲を興奮させ又は刺激するものと認められないことがあるというべきである>

指摘された画像は、性的虐待後の、精液をかけられている顔の画像であって、一般人を基準とすると「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ではない。そのため、3号ポルノに該当しないとなった。

<被告人が撮影し、記録した画像は、6歳の児童に対するものであり、一般人を基準とすれば、性欲を興奮させ又は刺激するものではないから、児童ポルノに該当しなない。(中略)たしかに、同画像は、児童ポルノ等処罰法2条3項1号の『児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態』の画像に該当する可能性があるが、被害者の衣服を付けない状態が画像上は必ずしも判然としないから、同項3号には該当しない>(高松高裁 平成22年9月7日)

ちなみにこの画像は、今回の改正でも該当しないことになる。性的虐待を記録したものであっても、それらを取り締まれないことが起きてしまう。参議院の法務委員会で山田太郎委員は以下のようなやりとりをしていた。

山田 性的な虐待が行なわれているが、顔だけを映した動画や、精液を顔にかけられたが児童は服を着ている写真、動物の性器に無理矢理触れさせている写真、服を着ている状態でロープでむちを打っているSMの写真で性的部位が描写されていないもの、性的虐待中の音声ファイル。これらは「児童ポルノ」にあたるのか。

遠山清彦(提案者、公明) 法文に即して判断をすると、性的虐待中のもので、顔のみで、性的な部位が描写されていない場合は該当しない。衣服を着けた児童に精液がかけられている。これも当たらない。動物の性器をさわっているということだが、法律は「他人の」とはあるが、これににわかに該当することはない。SM写真もあたらない。音声ファイルは、「視覚により」とあるので、このことだけを持って該当しない。しかし、いま申し上げた事例は、ひとつを切り出したもの。これらが重なり合って、動画であれば動画全体を判断し、総合的かつ客観的に評価すれば、見なしうる場合もある。これらは児童虐待の証拠であり、処罰の対象になる。

さらに、死体愛好者の犯罪もある昨今、画像の被写体が死亡している児童の可能性もあるだろう。その場合、児童は死亡している時点で法律上、「人」ではない。そのため、死体愛好者にとっては該当しても、「児童ポルノ」とは認定されない。参議院の法務委員会でもこの点が質問として出たが、死体は当たらないとの答弁だった。

小川敏夫(民主党) すでに死んでいる児童の、死体の写真の場合は、これは(「実在する児童」に)あたるんでしょうか?

階 猛(提案者、民主党) 法の趣旨は、児童ポルノに描写された児童の長期にわたった心身に有害な影響を与えつづけるもの(を保護対象としている)。客体となる児童は、生存することを要する。だからといって、死体は無制限にはびこらせていいのか。それを認めるものではない。立法府としてはこれから取り組むべき。

東京都羽村市の公立小学校の教諭(当時)が多数の児童を盗撮し、それと併せて個人的に収集していた死体の写真を、自ら開設していた「クラブきっず」というサイトに掲載していた事件で起訴されている。このサイトには交通事故や犯罪に巻き込まれた児童の写真が掲載されていたが、ほとんどが遺族が開設したサイトから無断で盗用されていた。

この件では著作権法違反(無断使用)と侮辱罪(キャプションの文面から判断)が適用されている。さらにこの被告は子どもの裸の写真を掲載、提供していたとして児童買春・児童ポルノ処罰法違反容疑でも有罪判決を受けている。またこれは違法ではないが、被告は2004年12月のスマトラ島沖地震で犠牲になった方の遺体も現地に行き自ら撮影してサイトにアップしていた。

単純所持の規制

枝野幸男委員(民主党)は6月4日の衆議院法務委員会で、今回の法改正は「単純所持全般が処罰対象ではない」ということを法案提出者と政府側参考人に答弁させた。「性的好奇心を満たすため」というのは、「立件対象となる所持の時点での認識の要件」であり、「自己の意思に基づいて」とは「処罰範囲に限定をかけるもの」で、時期や経緯を証拠により立証しなければならないということだ。

「自己の意思に基づいて」について、たとえば、メールで画像が送りつけられて所持となった場合、あるいは鞄に放り込まれた場合、自分のロッカーに入れられてしまった場合は、「自己の意思に基づいて」ではない。しかし、送りつけられた画像を児童ポルノと認識した上、積極的な利用が前提で保存した場合は、「自己の意思」となる可能性があるとの答弁がされた。

ただし、そもそもパソコンの動作ミスで保存してしまうこともあり、それとの区別をどう判断するのか。送検段階や起訴段階、公判ではそうした立証は可能かもしれない。しかし、逮捕段階では何が「自己の意思」なのかを証明する術があるのだろうか。

法が制定される1999年以前、 児童ポルノの製造、売買、譲渡は違法ではなかった。その時代に制作された、形式的には児童ポルノとなるような映画や雑誌が、図書館、アーカイブス、雑誌社の倉庫に保管されている可能性がある。この点について枝野委員が「家探しをする必要はないか」と質すと、提案者は「『自己の性的好奇心を満たす』とは考えにくいので構成要件を満たさない」、さらに性的搾取や児童虐待を許さないというのは一般的理念であり、「廃棄、削除の義務を課すものではない」とも答弁した。

また、改正法施行前に所持をしていた児童ポルノについて、その時点では「自己の性的好奇心を満たすために」取得したが、罰則が適用される施行1年後に目的がなくなった場合はどうかと、枝野委員は質したのに対し、「施行後所持している場合であっても、立件対象となる1年経過後に性的好奇心を満たす目的がなければ、処罰対象にはならない」と提案者は回答した。

引っ越しや大掃除の際に「児童ポルノ」を発見した場合、発見しただけでは「自己の性的好奇心を満たす目的」とは言い難い。ここで枝野委員は「そこで何かをすれば別ですが」と言ったが、これは発見した時点で自己の性的好奇心が一瞬でも生じた場合は、所持罪に問われうる、とも受けとれる。しかし、そもそも児童ポルノは性的好奇心を満たすようにも作られている。それを見て、性的好奇心が高まるのは自然なことではないか。

この点については、「積極的な利用の意思に基づいて新たな所持が開始されたかどうかが重要」と提案者は述べた。しかし、そうした資料を保存している場合、どうやって「自己の性的好奇心」を判断するのかは難しい。土屋正忠委員(自民党)は「ホコリがどれだけたまってるかだろう」とヤジを飛ばした。ホコリがたまっていれば、積極的な利用をしていないと判断できるということか。しかし、「自己の性的好奇心」の有無をそれだけで判断できるのだろうか。

なお、児童買春・児童ポルノ処罰法の運用上の注意として、「学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利」には配慮するとされた。たとえば、立法者が参考資料として所持している場合があるが、これは処罰対象ではない。医療関係者や弁護士が業務の一環で所持する場合も処罰対象から外れる。報道関係者が取材過程で入手したものも処罰されない。

しかし、フリージャーナリスト、フリーライター、フリー編集者、漫画家らが取材過程で入手した場合、どのように「報道」目的と証明するのか。そもそも、身分をどのように証明するのか。のちに証明されたとしても、それまでは逮捕される可能性はある。枝野委員は「フリージャーナリスト」を例にあげたが、その部分は法案提案者からの具体的な答弁はなかった。

参議院でも佐々木さやか委員(公明党)の「純粋に学術研究であれば罰則の適用はないですが、処罰を不当に逃れることができるのでは?」との質問に対し、提案者は「学術研究や文化芸術活動などの目的で所持する場合は、どういう児童ポルノを所持しているかなどの個別具体的な証拠関係により実際には認定すべき。通常は適用されないが、所持をしている児童ポルノの態様、分量、内容によって判断される。内心の問題のため、供述だけで自己の性的好奇心を満たす目的がなかったと判断するとは限らない」と答えた。

これらの答弁を考えると、フリーランスの場合は、供述のみで報道目的かどうかはわからない、ということになる。仮に、被害者を取材している過程で児童ポルノを入手したとする。その帰路、職務質問を受けて、児童ポルノが鞄の中にあったとしよう。その場の供述だけで「取材・報道目的」を主張しただけでは、免責にならないと解釈できなくもない。免責されたとしても、現行犯で逮捕される可能性を秘めている。しかも運用上の注意は「違法性阻却」(免責)規定ではない。

東京都条例の新基準での規制

児童買春・児童ポルノ処罰法の条文には、3党合意の段階ではアニメ・漫画・CGについて「児童の権利侵害との関係性に関する調査研究」が入っていたが、5党合意で削除された。この点では、いちおう表現の自由に配慮したかたちにはなっている。さらに「学術研究、文化芸術活動、報道等に関する」適用上の注意が入り、これらの権利を侵害しないように留意することを例示した。この変更がなされる上で、出版業界や漫画家らの規制反対の声は大きく影響した。また3党としても、この問題のために法改正に慎重だった民主党を巻き込むかたちにもしたかったのだろう。

しかし、衆院法務委員会では、「好ましくないアニメ・漫画」と「児童の権利侵害」との関係性が不明確である点が指摘されたものの、この問題は「別枠で議論すべき」との声があがっていた。もちろん、同処罰法は、社会の風紀を取り締まるための「社会法益」を守るのではなく、児童の権利侵害を防ぐ「個人法益」を守るためのものだ。直接的な権利侵害ではない「アニメ・漫画・CG」を規制するかどうかを議論する土俵ではない。

ただ、自民党はこれまで「青少年健全育成基本法案」を選挙公約に掲げてきた。たとえば、青少年の健全育成を理由に表現を規制する「青少年有害環境対策基本法案」(青環法)の提出が2002年の国会では予定されていた。このときは青環法と、個人情報保護法、人権擁護法のいわゆるメディア規制三法への批判が相次ぎ、提出を断念している。また2004年には「青少年健全育成基本法案」が参院に提出されたが、これは審議未了・廃案となっていた。

しかし、「青少年の健全育成」を理由としたメディア規制は2010年の東京都青少年健全育成条例の改正で強化され、すでに前哨戦を終えている。このときの改正議論は当初、「非実在青少年」の性描写を「不健全図書」として規制する案として話題を集めた。結果、反対の声が大きく、6月議会では廃案となったものの、違法な性描写や近親相姦の描写があるアニメや漫画を規制できる修正案が12月議会で通過してしまった。これまでは「わいせつ」かどうかが基準だったが、修正案では、違法な性描写や近親相姦がどう描かれているかによって規制できるという「新基準」が導入された。

2014年に初めて、この新基準で「不健全図書」指定がなされた。5月12日の都青少年健全育成審議会で、近親相姦が描かれた『妹ぱらだいす!2 ~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~』(KADOKAWA)が、新基準の「著しく社会規範に反する性交等を、著しく不当に賛美し、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の育成を著しく妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」に該当するものとしてと答申されたのだ(「ハフィントン・ポスト」2014年5月13日「「妹ぱらだいす!2」東京都の不健全図書に決定」などを参照)。

このときの都青少年健全育成審議会の議事録(PDF)によると、以下のような議論があった(要旨。専門委員・委員は議事録でも匿名)。

青少年課長 「妹ぱらだいす!2」は(中略)、兄と実の妹、または兄と異母兄弟の妹という民法第734条に規定する婚姻を禁止されている近親者間、(中略)2親等間の性交又は性交類似行為を描いたものであり、当該指定基準に該当するものと考えている。

■■専門委員 拝読しましたが、条例第8条第1項第2号に該当すると図書類等の「作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨」は、作品から全くみられません。

また、聴き取り調査などをしますと、これはゲームからのコミカライズをした作品であり、最初はアダルト雑誌に掲載されたということです。それをごく一部修正して、そのままコミックス化しました。なおかつ、原作ゲーム自体には18禁マークがついております。そのゲームがこの帯の袖に載っていますが「18禁」と入っています。これを見れば、このままコミックスとすれば当然指定の俎上に上がると思われます。

また、これはやはり近親者の性交類の描写が多いです。近親者の性交を描くのであれば、条例第8条第1項第2号に該当する作品内容に配慮しないといけないと思います。ところが、この作品にそれは全く感じられません。逆に、近親者の性交がなければ、この作品はそのままスムーズに18禁マークを表示されなくても通っていたのではないかと思います。一番肝心のそこを見落としたかどうかはわからないのですが(以下略)。

■■委員 表紙だけを見ても、子どもたちが手にとりやすい漫画チックな感じなので、手にして見てしまったらちょっと怖いなということと、これをもし男の子が見た場合、妹を見る目がどうなるのかなと。非日常的なことかもしれないけれども、これが当たり前のように判断力のない子どもたちが見てしまった場合、やはり小学生なんかはちょっと怖いなという気がしますので、本当にこれは指定でお願いしたい(以下略)。

■■委員 新基準に該当するというのはおくとして、旧基準に照らしてはどのように判断しているのでしょうか。

青少年対策担当部長 この本については旧基準には該当しないと判断いたしました。

■■委員 どのところで該当しないという判断をしたのでしょうか。

連絡調整担当課長 全体的な性表現のボリュームなどです。今までの旧基準に指定したものに比べて、確かに公判の部分は若干性表現が激しいのですけれども、前半の部分について、今まで指定したものよりは性表現が大人しい。ボリュームが全体的に少ないということです。

■■委員 精液が飛び散ったりとか、結構露骨な描写もあると思うのです。このぐらいで多分これまで諮問されてきたこともあるのかなという感じがちょっとしたのですけれども。

青少年対策担当部長 ほかの旧基準で指定されていた本に比べると、少し質的・量的に少ないということで判断しました。

■■委員 これがもっと激しいのだと新基準指定第1号でいいのですけれども、ちょっと中身が情けないですね。情けないのですよ。だから、最初のうちは、今回は勘弁して下さいよと申し上げようかなと思っていたのですが、できた事情を聞いて見るとそういう事情なので(以下略)。

■■委員 できた事情がどうであるかということではなく、この図書が条例の基準に照らして青少年の健全な育成に役に立つのか、あるいは阻害されるのかと。その1点を判断すべき(以下略)。

旧基準には該当しないことから、新基準で指定できるかどうかが検討され、漫画の元になったゲームが「18禁」だったことも影響し、新基準指定第一号となった。指定された場合は「成人コーナー」に移動するなどの対応がされるが、KADOKAWAは自主回収に踏み切った。「不健全図書」指定されたことが発表されたとき、同作品はKindleコミックで一時は全ジャンル1位まで浮上した。現在では、『妹ぱらだいす!2』はAmazonでは販売が停止されている。ただし、その原作であるライトノベルは通常通り販売されている。「絵」はこの法律の規制対象だが、「活字」は対象外となっているためだ。

すでに自主規制がなされている!!

2014年3月6日、テレビ朝日系列で『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』が放映された。この作品は劇場版だが、テレビ版ではアレンジがされていた。「ハイパー掃除機」という道具でしずかちゃんが裸になってしまうシーンがある。しかしテレビ版ではその場面で「謎の光」が出たため、しずかちゃんの裸は隠された。

『ドラえもん』のしずかちゃんの入浴シーンは、アニメや漫画規制問題でよく取り上げられる。東京都の青少年健全育成条例改正議論のときも話題となった。「非実在青少年」の性的な描写が規制されるとの案だったためだ。このときは批判が相次いだために、都ではQ&Aを作成し、以下の例は規制されないとした。

このときは結局、「非実在青少年」の性的描写が規制されるといった案は否決された。そのため、この基準そのものが意味をなさなくなった。しかし、テレビ朝日が自主規制したことで、都条例ができたための自主規制ではないか、との見方も出ていたほどだ。

また、インターネットでも自主規制がされた例がある。ブログや掲示板などのサービスを提供するTeacupで、いくつかのブログが閉鎖された。その際、閉鎖されたブログのユーザーに対してTeacup側から「児童ポルノ又はそれに類するもの」と、外部機関から指摘されたという案内が送られて来た。しかし、そのブログに掲載されていたのはフィギュアの写真であり、これらは児童ポルノに該当しない。

この問題を重く見ている山田議員はこう述べる。

「結局、『外部機関』は存在せず、広告主のクレームによるものでした。最終的には運営会社側は、『フィギュアは児童ポルノではない』と謝罪をしたものの、ブログの閉鎖が決まってしまった。このような自主規制の範囲が広がっているのではないか。こうしたことが起こる背景には、青少年の健全育成と、わいせつ物と、児童ポルノの概念が混乱していることがある」

アメリカでの規制

「Business Media 誠」は今年の6月12日、「伊吹太歩の時事日想」で「世界から『児童ポルノ帝国』と呼ばれるニッポン」という記事を掲載した。その中では海外メディアが日本の今回の法改正をどう報道したのかが報告されている。たとばこうだ。

フランスのAFP通信は「日本が今日、児童ポルノ所持の禁止に近づいた。日本はまだ禁止をしていない先進国で最後の主要国だ」と報じた。英ガーディアン紙は「この法案が提出された背景には、日本に対し、ほかの先進国と共同歩調を取るべきだとする国際的なプレッシャーがあった。日本は強姦や子供に対する性犯罪のビデオや写真、その他の画像の所持が合法であるG7(先進7カ国)で唯一の国だ」と伝えている。

AFP通信がいうように、現行法で児童ポルノの単純所持を禁止していない国は、G8の中ではロシアと日本だけだ。ただし、ロシアも単純所持を禁止する法案を審議中とのことだ。しかし、この記事は規制される児童ポルノの定義がG8の各国でそもそも違うことに触れていない。

国連の「児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書」では「児童ポルノ」を以下のように定めている。

<現実の若しくは疑似の (real or simulated) あからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現(手段のいかんを問わない)又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現>

しかし、この選択議定書は先進国でもドイツやイギリスが未締結であり、ロシアは未署名だ。またアメリカは(ソマリアと同様に)条約そのものを批准していない。「G8諸国における児童ポルノ対策に関する調査」(財団法人社会安全研究財団、2013.3)(PDF)によると、アメリカは児童ポルノについて、合衆国法典第18編第1部110章 児童の性的搾取及びその他の虐待 第2256条で定めている。

(8)「児童ポルノ」とは、写真、フィルム、ビデオ、絵画又は電子的、機械的若しくはその他の方法により作成され、又は製作されたかどうかにかかわらず、コンピューターの若しくはコンピューター処理された画像若しくは絵画を含む、次の各目のいずれかに該当する視覚的描写をいう。
-(A)そのような視覚的描写の製作が、性的に露骨な行為に従事している未成年者の利用を伴うもの
-(B)そのような視覚的描写が、デジタル画像、コンピューター画像又はコンピューター処理された画像であって、性的に露骨な行為に従事している未成年者のものであるか、それと見分けがつかない形態であるもの
-(C)そのような視覚的描写が、身元を特定し得る未成年者が性的に露骨な行為に従事しているように見えるように創作され、翻案され又は修正されているもの

ここでいう「性的に露骨な行為」は以下のように定義されている。

(2)(A)次号において規定されるものを除き、「性的に露骨な行為」とは、実際の又はそれを模した次の各目のいずれかの行為をいう。
-(ⅰ)生殖器と生殖器、口と生殖器、肛門と生殖器又は口と肛門を含む、同性間又は異性間の性交渉
-(ⅱ)獣姦
-(ⅲ)自慰行為
-(ⅳ)サディスティック又はマゾヒスティックな虐待
-(ⅴ)いかなる者であれ生殖器の又は陰部のみだらな露出

(2)(B)この条の(8)項(B)号の「性的に露骨な行為」とは、次の各目のいずれかの行為をいう。
-(ⅰ)生殖器と生殖器、口と生殖器、肛門と生殖器若しくは口と肛門を含む、同性間若しくは異性間の生々しい性交渉又は生殖器、胸部若しくは陰部が露出されているみだらな模擬的性交渉
-(ⅱ)次のいずれかの生々しい又はみだらな模擬的な行為
– -(Ⅰ)獣姦
– -(Ⅱ)自慰行為
– -(Ⅲ)サディスティック又はマゾヒスティックな虐待
-(ⅲ)生殖器又は陰部の生々しい又はみだらな模擬的露出

性的に露骨な行為の描写には但し書きのようなものが加えられている。

(10)性的に露骨な行為の描写に関して用いられる場合の「生々しい」とは、閲覧者が、性的に露骨な行為が描写されている間に、描写されている者又は動物の生殖器又は陰部の一部を観察することができることをいう。

(11)描写に関して「見分けがつかない」という語句が用いられる場合、当該描写は、その描写を閲覧する一般の通常人が、性的に露骨な行為を行っている実在の未成年者の描写であると判断するようなものであるため、実質的に見分けがつかないことをいう。この定義は、未成年者又は成人を描写したスケッチ、漫画、彫刻又は絵画の描写に対しては適用されない。

アメリカの児童ポルノの定義は、「性的に露骨な行為」が含まれているかどうかという点に限定されている。ただし州法では「性的に露骨な行為」でなくとも規制の対象となっている場合もある。その場合、日本の法律では「児童ポルノ」として禁止されないものでも、「サディスティック又はマゾヒスティックな虐待」という定義を適用される可能性がある。

イギリスでの規制

イギリスでは1978年児童保護法第1条で「児童のいかがわしい写真」を、1)18歳未満またはそのように見える者を描写する、2)いかがわしい、3)写真または写真のように見える画像を要件として、撮影、撮影の許可又は製造を禁止している。また、1988年刑事司法法第160条で意図的な所持を禁止している。

イギリス法での「いかがわしい」の定義は明文がない。これについては、「社会で広く認められた礼節の基準」により、陪審または治安判事が判断を行なう。その際に考慮するのは、

1)当該写真等が「いかがわしい」ものか否かの判断は、その写真のみを上記基準に照らして観察することによってのみ行われるべきであって、その写真の製作等の状況や動機を考慮してはならない。

2)たとえ性行為を伴わない描写でも、「いかがわしい」とされることがある。例えば、性器等が露出していないものの、上半身は大き目のブラウスと一連のビーズを、下半身は下着のみを着けた、胸を誇示するような14歳の女児の写真、また、裸体主義者のみが集まる水泳プールで撮影された、性欲を喚起するようなポーズを取っていない7歳の男児の裸体の写真が、いずれも「いかがわしい」とされている。

3)「いかがわしい」に該当しない写真等を編集したものが、「いかがわしい」とされることがある。テレビで放映されたドキュメンタリー番組から男児の性器に治療を行なうシーンを中心に編集する等した映像が「いかがわしい」に該当するとされた。

さらに、1994年刑事司法及び公共秩序法、2003年性犯罪法、2009年検死官及び刑事司法改革法でも禁止されている。

2009年法第62条には、「禁止された子どもの画像」を所持することは犯罪、と明記されている。その定義は、

(2)「禁止された画像」とは、以下のような画像である。
-(a)ポルノ
-(b)第(6)項に該当する、及び
-(c)過度に不快で、嫌悪を催し、又はその他猥褻な性格の画像

(3)性的興奮のためだけに、又は専らそのために制作されたと合理的に推定されるべき性質である場合は、画像は「ポルノ」である。

(4)(個人の所持において発見された)画像が一連の画像の一部を形成している場合、第(3)項で言及した性質の画像であるかどうかは、以下の基準に決定する。
-(a)画像自体、及び
-(b)(一連の画像が、画像の文脈をもたらすことができる場合)一連の画像において生じる文脈

(5)例えば、
-(a)画像が一連の画像により構成される物語の不可欠の一部を形成し、
-(b)当該画像全体に関して、性的興奮のためだけに、又は専らそのために制作されたと合理的に推定されるべき性質ではない場合、
画像は、当該物語の一部であることにより、それ自体を取り出した場合にはポルノであるとみなされたとしても、ポルノではないものとみなされる。

(6)画像は、以下の場合、本項に該当する。
-(a)子どもの性器又は肛門のみ、又は専らそれに注目する画像である場合、又は
-(b)第(7)項に言及する行為を描いている

(7)下記の行為――
-(a)子どもとともに、又は子どものいるところで、人による性交又は口唇性交の行為、
-(b)子どもによる、子どもの関わる、又は子どものいるところでのマスターベーション行為、
-(c)人の身体の一部又はその他の物の子どもの膣又は肛門への挿入を含む行為、
-(d)子どものいるところでの、人の身体の一部又はその他の物の膣又は肛門への挿入行為、
-(e)動物(死んでいるか、生きているか、又は想像上であるかを問わない)との子どもによる性交又は口唇性交の行為、
-(f)子どものいるところでの、動物(死んでいるか、生きているか、又は想像上であるかを問わない)との子どもによる性交又は口唇性交の行為

(8)第(7)項において、挿入は、入れてから出すまでの継続的な行為である。

イギリスでは「児童」の定義が「16歳未満」だったが、2003年法で「18歳未満」に引き上げられた。また、18歳未満のように見える人物についても規制対象となった。さらに2009年法によって所有禁止の対象が「画像」を含むことになった。絵画や漫画、CG等が想定されているが、犯罪者は実在児童に関する児童ポルノを所持していることが多いため、これらのみの所持だけで摘発した事例はない。

フランス、ドイツ、イタリア、カナダの事例

■フランス

フランス刑法では227条23で、

<販売を目的として、未成年者のポルノグラフィックな性質をもった画像又は表現物を撮影、録画、配信する行為(略)。同様の画像または販売物を提供、閲覧可能、配布、あるいはこれを輸入又は輸出、あるいは輸入させる又は輸出させる行為>

が禁止対象となっている。また、

<身体的外観が未成年者のものである人物にも適用される。但し、その人物が画像を撮影又は録画した日に18歳である場合には適用されない。>

ともされている。フランスでは当初、実在の児童を対象にしていた。しかし、法改正によって、架空の児童を表現した絵や画像等も含まれるとされた。たとえば、日本製の成人指定のアニメーションで、登場人物は18歳以上という設定であっても、容姿からして児童であるということを理由に児童ポルノと判断されたことがある。とはいえ、「被害者」がいないために、その種の作品の積極的な摘発はプライオリティではない、という見解もある。

■ドイツ

ドイツでは、14歳未満の「児童ポルノ」と14歳以上18歳未満の「青少年ポルノ」がある。刑法184条bでは、以下のように「児童ポルノ」を定義している。この場合、アニメや漫画も禁止対象として含まれている。また小説等の文章表現も入るという。

<子どもによる性行為、子どもに対する性行為若しくは子どもの目前での性行為を目的とするポルノ文書>

また、「青少年ポルノ」については、184条cで以下のように規定している。これはEUの「児童の性的搾取と児童ポルノに関する枠組み指令」にあわせたものだ。

<14歳から18歳までの者による性行為、このような者に対する性行為若しくはこのような者の目前での性行為を目的とするポルノ文書>

「青少年ポルノ」の場合、実在の児童が対象となっている場合だけが単純所持の規制対象だ。ただし、18歳未満の青少年自身によってなされ、かつ描写された者の同意がある場合は適用されない。

■イタリア

イタリアでは刑法第600条の3で「未成年ポルノ」が以下のように定められている。

<本条において未成年ポルノとは、媒体を問わず、現実の若しくは疑似のあからさまな性的な行為を行なう18歳未満の者のあらゆる表現、又は性的な目的のための18歳未満の者の性的な部位のあらゆる表現を指す。>

これは2012年8月に改正されたものだ。アニメーションや漫画、文章等の表現も対象になった。児童に見えるものであっても規制対象だ。ただし、規制のウェイトは低い。単純所持も規制されているが、「故意に」と限定されている。またアクセスや閲覧に関してはイタリアでは禁止されていない。「故意」かどうかが判断しにくいためだ。

■カナダ

一方、アクセスも規制しているのはカナダだ。カナダでは刑法第163.1条で以下のように児童ポルノを定めている。

(1)本条において、「児童ポルノ」は以下を指す。
-(a)電子的又は機械的手段の何れによって制作されようとも、以下にあてはまる写真、フィルム、ビデオ、又はその他の視覚的表現。
– -(ⅰ)18歳未満であるか、又は18歳未満として描かれた者であって、明らかな性的行為を行い、あるいは行っているものとして描かれる者を見せる。又は、
– -(ⅱ)その主たる特徴が、性的目的による、18歳未満の者の性器又は肛門部の描写である。
-(b)本法に基づく犯罪となる、18歳未満の者との性的行為を唱導し、又は助言する、文書、視覚的表現又は音声記録。
-(c)その主たる特徴が、本法に基づく犯罪となる、性的目的による、18歳未満の者との性的行為の描写である文書。又は、
-(d)その主たる特徴が、本法に基づく犯罪となる、性的目的による、18歳未満の者との性的行為の描写、提示、又は表現である、音声記録。

「18歳未満として描かれた者」というのは、18歳以上であるとの確認を取り、当該表現が18歳未満の者として描かれていないことがない限り違法だ。そのため、18歳未満に扮している20歳との認識での単純所持は、児童ポルノの所持となる。

ただ、アクセスに関しては、「それと知りながら」という要件があるため、知らずにアクセスし、キャッシュに残った程度は罪に問われない。また、単純所持に関して、2010年3月、カナダ最高裁は「コンピューターのキャッシュに残された画像はそれのみで『所持』とは見なされない」との判決を出した。

カナダは、実在の児童を被写体とした写真やフィルム、ビデオだけでなく、「児童に見える」ポルノも禁止対象としている。アニメや漫画、CGも対象となると言われており、G7の中では厳しい規制となっている。

法改正だけでなく、包括的な体制の整備を

この改正案が衆院法務委員会で通過したとき、傍聴をしていた日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン氏は、単純所持の禁止について「児童ポルノは許されないこと、子どもは性的な対象ではないということを国民の意思として表したことは素晴らしい。その認識が広まれば、もしかすると、遊び半分で子どもを性的な対象にしている人も減るのではないか。社会的な教育にもなる」と述べた。

衆院法務委員会の傍聴後、取材に応じるアグネス・チャン氏。(衆議院議員面会所前、6月4日。他の取材者からの提供写真)

その上で「今回大切なことは、自ら(児童ポルノを)処分することだと思う。取り締まりが入ってからではなく、(罰則適用まで)1年間ありますから、自分で破棄することを自覚してやっていただきたい。それが被害者にとってもいいし、児童ポルノがこれ以上広がらないようにできるのでは」と期待をこめる。

また、被害児童に対するケアの体制についてもアグネス・チャン氏は「ケアは不十分だが、各部署がもう少し声を大きくしていくことになるのではないか。これは第一歩なんです。現場の努力によって、被害者の子どもを発見できるようになっていくと思う。今まで一人で苦しんでいた人たちが救助される可能性がでてきた」とも述べた。

さらに、今回の法改正で漫画やアニメの表現規制に繋がる調査研究は削除されたが、「この問題は、別枠でやっていくとのこと。(漫画やアニメは)別のものとは思っていたが、今回の議論を聞いていて、さらに別物だとの認識ができました。この法律は個人の権利を守るためのもので、漫画やアニメ(の規制)については社会で考えていくもの」とも述べていた。

児童買春・児童ポルノ処罰法は今回、10年ぶりに改正された。「3年ごと」の見直し条項がある中、これまで見直しができなかった最大の要素である「漫画やアニメ」を検討事項から外したことで、法改正への反対意見が小さくなった面もある。とはいえ、単純所持の処罰化について丁寧な議論がされたのかといえばそうでもない。曖昧な点、あるいは、過剰な捜査の不安はなくなったわけではない。

さらに、「漫画やアニメ」の検討については、衆参の法務委員会の審議で「別枠で」行うという言葉が出た。これはすでに自民党が提出している「子ども・若者育成支援推進法」の改正案として提出した「青少年健全育成基本法案」の中に組み入れられようとしている。その意味では、この問題の決着は今後に引き延ばされた。

私はどのようなかたちであれ、漫画やアニメの表現規制には反対だ。この法律は、児童の性的虐待や性的搾取を根絶させようとするものだ。であるならば、「児童ポルノ」の定義がわいせつかどうかだけではなく、撮影時に性的虐待かあったのかどうかでも判断されるような定義に変えて行かなければならないと私は考える。

一定の年齢未満の子どもを写したポルノの所持を全面的に禁止することに、私は賛成だ。しかし、ドイツにおける「児童ポルノ」と「青少年ポルノ」との区別のように、日本でも奈良県条例では「子どもポルノ」(13歳未満の児童ポルノ)のみを所持禁止としている。 一定の年齢に達し、性的自己決定権を得られた年代の子どもは、自己の性について、一定程度のコントロール権はあっていい、というのが私の立場である。その上で、性的虐待や性的搾取から子どもを守る包括的な体制を、どのように整備していくのかという議論がなされるべきだと考えている。

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執筆者紹介

渋井哲也
ノンフィクションライター。若者の生きづらさ、自殺、自傷行為、家出、援助交際、少年犯罪、いじめ、教育問題、ネットコミュニケーション、ネット犯罪などを中心に取材。東日本大震災後は、震災やそれに伴う原発事故・避難生活についても取材を重ねている。著書は『命を救えなかった 釜石・鵜住居防災センターの悲劇』(第三書館)、『絆って言うな! 東日本大震災ー復興しつつある現場から見えてきたもの』(皓星社)、『自殺を防ぐためのいくつかの手がかり』(河出書房新社)、『明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中』(幻冬舎)、『ネット心中』(NHK出版、生活人新書)、『実録・闇サイト事件簿』(幻冬舎新書)、『若者たちはなぜ自殺するのか』(長崎出版)ほか、共著『復興なんて、してません――3・11から5度目の春。15人の“いま” 』(共著、第三書館)ほか多数。
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