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明日から国際電子出版EXPO

明日から国際電子出版EXPOが東京ビックサイトで開催されます(7月4日〜6日。併催の東京国際ブックフェアは7月5日から8日なのでご注意を)。これに先立ち、楽天がKoboの電子ペーパー端末「KoboTouch」の発売と電子書籍サービス開始を発表、またアマゾンもキンドルの近日発売をアナウンスするなど、海外の電子書籍プラットフォームがあいついでサービスを始めることで、ようやく日本でも本格的に電子書籍ビジネスが立上りそうです(Koboについては、大原ケイさんによる「楽天、kobo買収の本当の意味」が読まれています)。

楽天はウェブサイト上でKoboTouchの予約を受付開始。

アマゾンもKindleの近日発売を正式にアナウンス。

2011年の電子書籍市場は前年比ダウン

ここ数年来、「電子書籍元年」との報道が相次ぎましたが、インプレスが本日発表した「電子書籍ビジネス調査報告書2012」によれば、2011年の電子書籍市場は前年比マイナス3.2%の約629億円でした。

なかでもこれまで日本の電子書籍市場を牽引してきたケータイ向けの電子書籍は、前年比マイナス16%と大幅ダウン。他方、期待された新しいプラットフォーム向けの電子書籍は、2010年の24億円から112億円まで伸びたものの、ケータイ向けのマイナス分を埋め合わせるほどではありませんでした。

KoboやKindleといった、すでに海外で一定の経験を積んだ電子書籍プラットフォームが日本国内でもサービスを開始することで、同報告書が予測するとおり、これから電子書籍市場は爆発的に伸びるのか。それともさまざまな問題が残されていて、一気に普及が加速することはないのか。これについてはまったく予断を許しませんが、こうした業界地図の激変のなかで、今年の国際電子出版EXPOは行われます。

EPUB3とHTML5が本格普及?

もう一つの話題は、Koboも採用しているEPUB3の動向です。先日の「国際電子出版EXPOでアジア初のEPUB3会議」でもお伝えしたとおり、国際電子出版フォーラム(IDPF)事務局長ビル・マッコイ氏をはじめとする関係者が来日し、日本側のパネラーとのシンポジウムが予定されています(EPUB3の意義については、先日公開したボイジャー代表・萩野正昭による記事、「電子出版はみんなのものだ、そう誰かが叫ぶべき」も参照)。

今年もボイジャーは HTML5対応のブラウザ上で稼働しEPUB3の閲読も可能な読書システム「BinB」を推進するため、国際電子出版EXPOに参加します。毎年恒例の公開トークイベントも下記のとおり行われ、「マガジン航」の編集人も5日に登壇します。皆様ふるってご参加ください。

今年も恒例のトークセッション行われます。

2012年7月4日(水)〜6日(金)
会場:東京ビッグサイト 西3・4ホール
ボイジャーブース(小間番号21-2)
ステージ:ヤフー株式会社ブース内(小間番号21-1)*ボイジャーの向かい
(招待券をお持ちの方は無料。お持ちでない方は入場料1,200円が必要)

DAY1―7月4日(水)

DAY2―7月5日(木)

DAY3―7月6日(金)

 

執筆者紹介

「マガジン航」編集部
2009年10月に、株式会社ボイジャーを発行元として創刊。2015年からはアカデミック・リソース・ガイド株式会社からも発行支援をいただきあらたなスタートを切りました。2018年11月より下北沢オープンソースCafe内に「編集部」を開設。ウェブやモバイル、電子書籍等の普及を背景にメディア環境が激変するなか、本と人と社会の関係をめぐる良質な議論の場となることを目指します。
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