熱い図書館への誘い

2010年8月5日
posted by 岡本真

「マガジン航」の読者の方々であればお気づきかもしれませんが、いま、図書館の世界が熱い状況になっています。たとえば、つい先日の7月24日(土)は、図書館を巡る最近の熱気を感じさせる1日でした。この日大阪で、「〈図書館〉をキーワードに、図書館で働く人も、そうじゃない人も、あつまって飲みませんか」という呼びかけのもとに開かれた「図書館のむ会@大阪」に60名もが集まりました。それだけではありません。これに呼応するように行われた「横浜市内図書館的施設ツアー&図書館をネタに飲む会@横浜」には40名が、「図書館のむ会@仙台」でも10名ほどが、さらに当日外出できない方々を中心に「図書館のむ会@ウェブ」という一人家飲みの会まで開かれたのです。

横浜市内図書館的施設ツアーの一コマ。新聞ライブラリー、放送ライブラリーがある情報文化センターにて

横浜市内図書館的施設ツアーの一コマ。新聞ライブラリー、放送ライブラリーがある情報文化センターにて

当日、「図書館」をキーワードに日本全国でオンライン、オフラインに集ったのは100名を優に超えています。ただの飲み会とはいえ、そして当日が全国的にビールの美味しい天気だったとはいえ、ちょっと驚異的な出来事ではないでしょうか。

図書館が熱い理由

もちろん、図書館に関心を持つ人々はただ飲むのが好きなわけでも、日々飲み歩いているわけではありません。このような催しと併行して、様々なネットワーキングの動きが最近とみに盛んです。

たとえば、2008年に「図書館員の部活動」を標榜して始まったLifoというグループは、「遠足」と称して定期的に日本各地の図書館的施設を巡り、定例会と称する勉強会を続けています。また、今年の6月末には、図書館情報学若手の会ALISという組織が結成されています。こちらは図書館情報学を学ぶ学生や院生を中心とした大学横断的な試みで、6月27日に筑波大学で開催された第1回の定例会では現地参加者25名に加え、USTREAMの視聴者が70名にも及んでいます。

いま起こっているのは、イベントラッシュという現象だけではありません。図書館を巡る様々なプロジェクトが日々立ち上がっています。代表的なものを挙げれば、筆者自身が企画・運営に関わっているL-1グランプリ-若手ライブラリアンのためのワークショップ式登竜門の開催がこの11月に予定されているほか、「としょかん千三百手観音プロジェクト」「図書館“かわいい”はつくれるプロジェクト」といった、聞いただけでは何のことかわからない、しかし、その分、興味をかきたてられるプロジェクトが続々と誕生しています。本稿のタイトルで、「いま、図書館が熱い」と宣言した理由が見えてきたでしょうか。

としょかん千三百手観音プロジェクト - ライブラリアンが知性とウイットを交えて寄せられた質問に回答するというプロジェクト

ライブラリアンが知性とウイットを交えて寄せられた質問に回答するというプロジェクト。

「IT勉強会ブーム」との類似と、組織論としての面白さ

さて、私自身はライブラリアンではありませんが、最近U40 – Future Librarian 2010 プレミアセッションというイベントの参加申込が始まっています。

U40 - Future Librarian 2010の公式ブログ - プレミアセッションの参加申込を受け付けている。

U40 – Future Librarian 2010の公式ブログ。プレミアセッションの参加申込を受付中。

これは9月に奈良で開催される全国図書館大会というイベントの後夜祭として、ライブラリアンに限らず、図書館に関心を持つ人々が幅広く集まろうという催しです。会場は奈良に加えて、仙台、宇都宮、東京、名古屋、岡山、愛媛、山梨と現時点でも8つの会場が予定されています。いま、熱い図書館の世界に関わってみる第一歩として、たとえば、まずはここから始めてみてはいかがでしょうか。

私自身、このイベントの運営サイドにいるだけに、「マガジン航」の読者の方々が一人でも多く参加していただければ、これに優る喜びはありません。一緒に踊りましょう。

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全国図書館大会U40プレミアセッション

執筆者紹介

岡本真
ヤフー株式会社でのYahoo!知恵袋の立ち上げ等を経て、1998年に創刊したメールマガジンACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)(週刊/5000部)を母体に、アカデミック・リソース・ガイド株式会社を設立。「学問を生かす社会へ」をビジョンに掲げ、文化施設の整備に関わりつつ、ウェブ業界を中心とした産官学連携に従事。著書『未来の図書館、はじめませんか?』(青弓社)『これからホームページをつくる研究者のために』(築地書館)『ウェブでの<伝わる>文章の書き方』(講談社現代新書)、共編著『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)ほか。